【ボランティア白書】マカオからのメッセージ

レオ・フンさん

マカオボランティア社会事業協会

監査役会会長

 

創立20周年、心よりお祝い申し上げます。これからも共に、国内外のボランティア活動に貢献してまいりましょう。私たちは、これからも皆様の忠実なパートナーであり、サポーターであり続ける所存です。

 

「マカオボランティア社会事業協会(Association of Volunteers Social Service Macao :AVSM)」は、マカオのボランティアを団結、ボランティア活動に対する認識の強化、マカオにおけるボランティアの社会サービスの発展の促進をミッションとして、1986年より活動してまいりました。

 

マカオのボランティア活動は、1980年代初頭にはチャリティ活動として一般に認知されていました。「ボランティア」という言葉の意味は、香港からさまざまな産業とともに持ち込まれるまで、マカオの社会ではなじみのないものでした。1999年にマカオが中国に返還されてから、ボランティアの分野は急速に成長し始めました。同時に、ボランティアの個人的な成長を刺激し、良い資質を培うことに重点を置くボランティア団体が増えてきました(若年層のリーダーシップスキルはその一例です)。

 

その一方で、私たちは、ボランティアの提供するサービスを利用する人たちが、「自分は役に立たない」「誰かに頼らなければならない」「自分の無力さに改めて向き合わなければならない」と、自信を失っていることに気付き始めました。2013年、私たちは利用者の物理的なニーズだけでなく、心理的なニーズを満たすために変化を遂げました。サリービーの「ストレングス理論」の視点とマズローの「欲求階層の理論」に基づいて、私たちが提供する高齢者サービスにおいて「自己効力感を高める方法」を試験的に実施しました。この試みで、ボランティア利用者を与える側にシフトすることで、利用者である高齢者はボランティアの人生のメンターとなり、ボランティアは与える側から学ぶ側になりました。

 

2015年の調査によると、マカオでのボランティア活動の参加率は約25%でした。パンデミックの影響で最新の調査が遅れているため、最新のデータを提供することができませんでしたが、今年の年末には公開できると思います。

 

日本は、ボランティア活動に関する知識と経験で世界をリードしています。新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)が終息した後の近い将来に、皆様とお会いし、意見交換できることを楽しみにしています。

 

改めて、「ボランティア白書」のご出版お祝い申し上げます。皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

 

マカオボランティア社会事業協会

監査役会会長

レオ・フン