「あそびは生きる力」第4回おもちゃの図書館アジア会議報告

 2013年6月13~15日、国立オリンピック記念青少年総合センターで、アジア7ヶ国の代表が集い、国際会議が開催されました。

 「おもちゃの図書館連絡会」の皆様とIAVE日本は、日頃から「広がれボランティアの輪」連絡会議をとおして一緒に活動に参加する機会が多く、また双方の役員としてご活躍の鈴木廣子さんが橋渡しをしてくださることから、隣同士のような存在でした。そんなご縁で6月13日の全体会議の進行とPC操作を、IAVE日本で引受けしました。

 おもちゃ図書館は本年30周年を迎え、また初めてアジア会議を主催、二重の慶事となりました。会議テーマは「あそびは生きる力 Play・Empowerment・Life」、当日はかなり強い雨降りでしたが、国内外から集まった参加者で会議場はほぼ満席状況でした。「よい会議だった」という印象をもたれるように、笑顔で歯切れよくを心がけ、司会進行を務めました。

午後の国別発表では、韓国・マレーシア・台湾、カンボジア・日本・タイ・シンガポールが現状や将来の計画、抱負等を発表、互いに学びあう貴重な機会となりました。

 印象に残っているのは、最後にカンボジアから出席のチャン・サリン氏が自国でおもちゃ図書館を創設したいと、「おもちゃの寄付」を訴えたところ、台湾・日本をはじめ会場内の参加者からすぐに手があがり、瞬く間に集まりました。こうして、自然に他の人たちとすぐに気持ちが通じ合うのも「おもちゃ図書館」の特徴です。

 記念講演者の阿部志郎氏は、一人ひとりの奥深いところに在る人間愛の根源を問い、行為には必ず授け手と受け手がいること、つまり他者の存在があってお互いの結びつきが成り立つこと、おもちゃの介在が意味することを、真に張りのあるお声で話され、聞く者の心には優しく慈愛に満ちた光が差し込み、静かで美しい感動を覚えました。

数々の心根にふれた珠玉のことばを、1部ですが皆様と共有したいと思います。

 

❤ 障害児を指して「おいたをするとお前はああいう子になるよ」という母親の姿に、自身を重ね、人の心の弱さ・醜さを「罪」として、いかに克服していくか、それは努力のプロセスです。

 

❤ 子どもは愛されるのです。子どもは愛されるべき存在です。愛された子は愛する人になります。

 

❤ 倒れている人を見て助け起こそう。助けられ人がその新しい力を助ける人に引き出しているんです。助け助けられるお互いに支えあって、相互性においてサービスが成立します。

 

❤ 出会いとは自分の中に何か求めるものがあり、自分の力を越えて、一瞬ひらめきがある。それが出会いなんです。

 

❤ 出会いとは心を開いて相手の事を思い、互いに支えあう事です。出会いとは自分が一人でいるのではないという事をお互いに確認する事です。

この出会いに愛が働きます。愛とは信頼すること、愛とは正義を喜ぶこと、愛とは寛容なこと、愛とは許しあうことです。

 

❤(アメリカの視覚障害児童施設を訪れて、白人と黒人の子が互いに抱き合う写真に The blind and also colorblind の説明をみて)、肉眼がみえても心眼が閉ざされている、あるいは逆でも、お互いの魂の眼を開きあうことが、出会いという事ではないでしょうか。

 
<2013年6月第4回おもちゃの図書館アジア会議(東京開催)。IAVE日本後援・協力>