Global Youth Service Day(グローバル・ユース・サービス・デー)世界のユースがボランティア活動を行う日 -30年の歩み

Global Youth Service Day(グローバル・ユース・サービス・デー、以下GYSD)を記念するボランティア活動が4月12日から14日に、全世界的に行われました。これまで世界100以上の国・地域で開催され、毎年4月開催のGYSDでは2,000以上のユースの団体、数百万人を巻き込むボランティア活動が行われています。全米ではよく知られている活動で、メディアなどにも取り上げられています。

GYSDは、ユース・サービス・アメリカ(YSA)によってはじめられた、ユース・ボランティアを推奨する記念日です。世界、各地域の重要な課題に取り組むため、ユース(若者)たちが、学校、地域社会や宗教系の団体、企業、政府機関とともにボランティア活動を行います。

 

◆GYSDの30年の歴史

このGYSDは、2018年に30周年を迎えます。1988年に「ユース・ボランティアの日」としてスタートし、1990年には「全米ユース・ボランティアの日」に、2000年にはGYSDとして、グローバルレベルに拡大しました。

 

1988年:10月、ユース・サービス・アメリカ(YSA)がボランティアを全米で推奨する日をスタート

YSAは、フォード財団の支援によって1986年に若者たちのボランティア活動を推奨するNGOとして創設されました。

YSAがユース・ボランティアの日を設け、活動の様子をとらえた写真を全米に拡散し、ユースのボランティア活動を社会に向けて発信、推進しました。当時の大統領ロナルド・レーガンからも、活動を支持する手紙が送られました。

 

1989-1990年:恒例イベントとしての全米ユース・ボランティアの日の開始

米国上院議員のジョン・ハインツ議員[i]は、ユース・サービス・アメリカによって組織された計画会議の議長を務めました。1,500のプログラムと331の市長が、特別なボランティアイベントを企画し、表彰式および市の青少年フォーラムを開催しました。

 

1993年:ホワイトハウスでの全米ユース・ボランティアの日のキックオフ

ヒラリー・クリントン大統領夫人はホワイトハウスで第5回全米ユース・ボランティアの日のキックオフ・イベントを開催しました。米上院議員のエドワード・ケネディとハリス・ウォーフォードは名誉共同議長を務めました。その年の後半、議会の関係者は、国家青少年サービスデーを国家コミュニティサービス信託法(National Community Service Trust Act)により全米ボランティアの日と宣言しました。

 

1995-1996年:全米ユース・ボランティアの日がオンライン化

1995年、YSAは、全米ユース・ボランティアの日に関する情報を提供するため、最初のウェブサイトSERVEnet.orgを立ち上げました。 1996年に、SERVEnetはボランティアの機会の最初のオンラインデータベースとなるように再開発されました。10年来、SERVEnetはオンラインで最大のボランティアの情報源となり、その後構築されたボランティアデータベース系のウェブサイトのモデルとなりました。

 

1996年:全米ユース・ボランティアの日のプロジェクトを支援する助成金プログラムの開始

1999年に、YSAはシアーズ(Sears:アメリカ、イリノイ州に本部がある百貨店)とアメリカのグループBackstreet Boysと提携して、初めての助成金プログラム「生命よりも大きい」賞を創設しました。

36人の受賞者/団体は、2000年の全米ユース・ボランティアの日のプロジェクトに対し2,000米ドルの助成金を得る他、Backstreet Boysのコンサートチケット4枚、Backstreet Boysに出会える機会を得ることができました。YSAは現在、毎年100万ドル以上の助成を行っています。

 

2000年:全米ユース・ボランティアの日の世界化

2000年、YSAは、全米ユース・ボランティアの日をグローバル・ユース・サービス・デー(GYSD)という国際プログラムに拡大しました。数年間は、米国内で行われる活動を全米ユース・ボランティアの日とし、国際的に行われるボランティア活動をグローバルユースサービスデー(GYSD)としていましたが。 2008年には、全ての活動がGYSDとして統一されることになりました。 GYSDは今や毎年100カ国以上で祝われています。

2001年:ステートファーム保険がスポンサー

YSAとステートファーム保険との提携により、YSAは2002年から2013年にかけて総額約350万ドルの1,900件以上の助成金を授与しました。

 

2004年: ユース・ボランティア機関(YSI)会議の開始

2004年、YSAは、ユース・ボランティア機関(YSI)をホストし、GYSDのパートナーがあつまりました。このユース・ボランティア機関(YSI)会議では、YSAの助成金被供与団体とパートナーが3日間、ネットワークを作り、ベストプラクティスを学びアイデアを共有する機会、トレーニングイベントの場として設けられました。このイベント通じてボランティア活動とサービス・ラーニングプログラム、GYSDのための準備をします。

 

2008年:セメスター・オブ・サービスの開始

2008年、YSAは、セメスター・オブ・サービス(Semester of Service)を開始。サービス・ラーニング[ii]の枠組みとして、学生は教室で学んだことを地域社会の現実のニーズに対応するために応用する機会を得ることできます。恒例のボランティア活動促進の日―キング牧師記念日(Martin Luther King, Jr. Day)、GYSD、または9月11日のボランティアの日とリンクさせ、少なくとも70時間、12週間から14週間にわたるボランティア活動が「セメスター(学期)」を通して行われます。

 

2011-2016年:25周年記念&オバマ大統領夫人

 2011年にYSA創立25周年を迎え、ミシェル・オバマ大統領がGYSDの名誉会長に就任しました。彼女は2016年までその役割を果たし続けました。

 

 

GYSDは、ユースがボランティア活動を通じて地域社会の問題の解決に積極的に関わる場を提供し、それらを全国・全世界レベルでつなぐことでユースが与える影響を社会に周知しています。

 

GYSDの参加方法は簡単で、ウェブサイト(https://leadasap.ysa.org/start/gysd2018/)にアクセスし、フォーマットに従って活動内容を登録、そして活動後に事後報告するだけです。日本では登録団体が少ないGYSDですが、ユース・ボランティアの世界的なキャンペーンの一部として、日本国内のボランティア活動を世界に発信していく機会となるのではないでしょうか。

 

 

◆関連リンク

History of GYSD

Las subvenciones de los socios de State Farm® empoderan a los jóvenes y a la comunidad

Global Youth Service Day Lead Agency Program

 

◆注釈

[i]米国ペンシルベニア州ピッツバーグに本社を置く食品会社ハインツの当時のCEO、ジャック・ヘインツ2世(Jack Heinz II)は実父。

[ii] ボランティア活動(サービス)と学習活動(ラーニング)の実践を統合させた学習方法で、学生が教室で得た知識を地域社会において社会貢献活動を行う。