【ファミリーボランティアの事例紹介⑨子ども食堂】

 SDGsいたばしネットワークは、「誰も置き去りにしない・されない」地域共生社会づくりに取り組むNPO法人です。JAVEの理事でもある林則子さんは、板橋区の18地域センターのひとつである「大谷口地域センター」エリアのリーダーとして地域活動を展開しています。その中でも、板橋区立第二中学校の「上二テラス」を拠点とした「子どもの食・居場所支援」というボランタリーな活動について紹介します。

 

 ファミリーボランティアは「家族で参加する」だけではなく、「地域の人たちの中に家族的な関係を作っていく」という要素もあります。「一緒に食事をする」というまさに家族の原点ともいえる活動をご覧ください。

Q.子ども食堂はいつから始められたのですか?

 もともと子ども食堂は生活が苦しい家庭の子どもたち向けの活動として始まりましたが、子ども食堂に行っている=生活が貧しいということで、いじめの問題が起きて、すべての子どもたちを対象にするようになったという経緯もあります。

 それで、いわゆる「子ども食堂」をやろうということはあまり考えていませんでした。ただ、家庭科室とつながるテラスとして地域に開放されている「上二テラス」という環境もできたので、2022年の夏休みに中学校で子ども食堂をやろうとしたのですが、その時はまだ新型コロナウイルス感染症再拡大のため、実施することができませんでした。

 

そのかわりに、「フードパントリー」(食料品の配布)を3回ほど実施した上で、2023年の4月から開始しました。

 

 子ども食堂には国からの補助金があります。板橋区の場合、社会福祉協議会の「子ども食堂連絡会」に登録し、運営費は板橋区との協定を結ぶことによる補助金で賄っています。

©SDGsいたばしネットワーク
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Q.子ども食堂の特徴は何ですか?

 現在は月一回、学校の公開授業が行われる土曜日に合わせて実施しています。ノーマルな「こども食堂」とは違い、「みんなで作って、みんなで食べる」ことを基本として、参加対象も限定していないので、親子連れや近所の高齢の方々が三々五々集う居場所となります。

さらには、毎回、ボランティア部などの中学生や近隣の保育園の保育士は交代でこの活動をサポートしてくれています。参加する子どもたちも中学生のお兄ちゃん・お姉ちゃんと遊べるのを楽しみにしているようです。

 

Q.これからの展望を教えてください

 毎回、食堂が終わるのが13時半から14時くらいなのですが、その後学習支援ができないか考えています。 

KUMONの教材を使うなら、KUMONが学習支援のサポートをしてくれるという話もありますし、また板橋区で無料の塾をしている団体もあるので、そことコラボすることも検討中です。

 

 さらには、私自身保育士としての経験があり、また現在「社会福祉士」の登録も申請中です。こうしたことで「なんでも相談窓口」的活動も考えています。

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