【ファミリーボランティアの事例紹介②】親子で参加できる様々な環境教室(NPO法人いびがわミズみずエコステーション)

 特定非営利活動法人いびがわミズみずエコステーションが中心となって、様々なNPOが協働して進めている「揖斐川流域クリーン大作戦」を紹介します。2000年から始まったこの活動は、2023年で22回目。約2,000人の人たちが参加する一大イベントとなっています。

 

 今回は特定非営利活動法人いびがわミズみずエコステーション事務局長の岩間誠さんにお話を伺いました。

Q.揖斐川流域クリーン大作戦について教えてください

 

 もともとは合併する前の揖斐川町でスタートしました。7ブロックで清掃活動をしていました。平成17年(2005年)に揖斐川町が5つの村と合併し、旧揖斐川町だけでなく、新・揖斐川町でもやることになり、さらに揖斐郡の他の池田町や大野町にも拡大していって、さらに下流も拡大し、現在のような形になりました。

 

 

 行政の区割りを超えてこのような活動ができたのは、それぞれの地域での清掃活動が地元のNPOによって主催されているからです。私たちは西濃環境NPOネットワークという岐阜県西濃圏域の29町で活動を展開する環境に関わる活動を展開するNPOのネットワーク組織を作っています。行政だけだと行政区分の壁を超えるのは難しいのですが、NPOの場合は自分のまちだけで活動しているわけではないので、行政区分を超えた連携が可能になります。

  もちろん拾ったごみの処理はNPOだけではできないので、行政とも連携をしています。まず揖斐川町で一つのモデルを作ることができたので、それを他の市町にも展開できるようになりましたね。

 さらにごみの運搬に関しては、揖斐建設業協会がトラックを提供してくれていますし、清掃活動の開始時に花火を上げていますが、それも花火の業者さんが協賛という形で協力してくれています。学校からは生徒や教員も参加してくれていますし、様々な企業が協賛してくださっています。

 

 

 様々なセクターを巻き込みながら、活動は年々進化しています。

Q.家族での参加はどのようなものでしょうか?

 私たちは、いびNPO法人連絡協議会と協働し、「いび地域環境塾」という親子で参加できる環境学習講座(年間20回くらい)を実施しています。

 

 そこでは川底探検隊、里山探検隊、ミニソーラーカー作り、さつまいもの栽培、間伐材を使った工作、など様々なプログラムがあるのですが、その一つがクリーン大作戦です。そして各プログラムは、いびNPO法人連絡協議会に所属するNPOがそれぞれの強みやリソースを活かして提供してくれています。例えば、養老鉄道を守る会という団体は、プラレールを作って遊ぶという企画を実施してくれています。

 

 他にも家庭や地域でペットボトルのキャンプを集めてもらって、それを私たちが回収・リサイクル業者に渡して、その利益を子どもたちにワクチンを提供している団体に寄付することや、「走れエコパッカー車」という事業なども行っています。

 

これは、揖斐川町内の園児・小中学生を対象に環境ポスターを募集し、その中で選ばれたポスターをエコパッカー車(ごみ収集車)にシール化して貼り付けるというものです。車は6台あるので、その両側面に合計12名のポスターが貼られて町を走ります。

 

 また、クリーン大作戦にしても今年で24年目なので、初めの方に参加してくれていた子が成人して、別の立場でかかわってくれるケースも増えてきました。

 

 やはり子どもの頃にこのような体験をすることは、大きな意味があります。

Q.親子で参加される際に気を付けた方がいいことを教えてください

 やはり安全面の確保です。当然、私たちはいび地域環境塾の各講座には保険をかけています。

 

 

※文中の写真は、特定非営利活動法人いびがわミズみずエコステーション提供