【ファミリーボランティアの事例紹介③】チャリティイベントへの参加(公益財団法人東京YMCA 会員部 熊沢佳代さん)

 公益財団法人東京YMCAが実施している「インターナショナル・チャリティーラン」を紹介します。障がいのある子どもたちが参加する水泳教室や野外活動など様々な活動を支援する目的で実施されており、2022年までに36回開催されています。

 

 今回は東京YMCAの熊沢佳代さんにお話を伺いました。

Q.チャリティーランについてまず教えてください

 もともとはタレントのチャック・ウィルソンさんが提唱して1987年から始まりました。

1チーム6人での駅伝大会を開催しています。1チームの参加費が10万円で、この参加費で障がいのある子どもたちを支援するとともに、"障がい"への社会的な理解と関心を高めることを目的としています。

 

 コロナの時は多くの人数が一か所に集まるイベントが難しかったため、チームがそれぞれの場所で自由に歩き、スマートフォンのアプリを使ってチームの平均歩数を競うウオーキング大会として実施しました。その他にも個人で参加できる「らくらくウォーク」という企画もあわせて実施しました。

 

 2023年度からは駅伝大会を再開していく予定ですが、「運動が苦手でも参加できる」というウオーキングも好評でしたので、こちらも継続していきます。

写真提供:公益財団法人東京YMCA
写真提供:公益財団法人東京YMCA

Q.家族での参加はどのようなものでしょうか?

 もちろん親子で駅伝に参加するということもありますが、参加費の10万円をねん出する過程がとても重要です。YMCAは幼稚園やこども園を運営しているのですが、保護者会がバザーやフリーマーケットを主催しその売り上げの一部をこのイベントの参加費に充ててくださっています。そしてチャリティーランに保護者ランナーとして参加するケースも多くあります。そこでは保護者が子どもたちと一緒になって活動しています。

 

 その中で、子どもたちが「障がいとは何か」を学ぶきっかけにもなっています。

 

Q.YMCAでは他にも多世代が参加できるプログラムを実施されていますか? 

 江東区に東京YMCAが運営する「グランチャ東雲」という児童・高齢者総合施設がありますが、そこでは子どもからお年寄りまでが一緒になってクリーンウォーク(地域での清掃活動)をしたり、年に一度のお祭りイベントを行ったりしています。

 他にも芝浦交流プラザでの「あいぷらまつり」や、高校生もボランティアとして参加する山手コミュニティセンターでの「やまてのまつり」などがありますが、お祭りの運営に親子でかかわる場合が多いですね。

 YMCAが運営する学童や児童館でもイベントがあり、そこでは子どもが親を誘って一緒にボランティアに加わりイベントを盛り上げてくれます。親子がそのような共通の体験をすることを通して、その後も共通の話題を作ることもできますし、親子の関係を見直したり、深めたりするいいきっかけになっています。

 

Q.親子で参加される際に気を付けた方がいいことを教えてください 

 何よりその活動の趣旨や意味あいを伝えることです。そうせずにただ連れていくだけだと、子どもたちが「やらされた感」を持ってしまうかもしれませんので、親から子どもを誘う場合は、伝え方に気を付ける必要があります。